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奈良公園周辺(奈良市)に生息する国の天然記念物「奈良の鹿」が、人が捨てたポリ袋を食べて死ぬケースが多発していることを受け、奈良県内の企業3社が鹿が食べても害が少ない紙「鹿紙(しかがみ)」を共同開発した。この紙を使ってA4サイズが入る紙袋を作り、土産物袋などでの幅広い活用を呼びかけている。
「奈良の鹿愛護会」によると、鹿は「袋の中に食べ物がある」と思ってポリ袋を食べてしまうといい、胃に詰まって栄養吸収を妨げられた結果、死に至るケースが相次いでいる。今年3月までの約1年間に原因不明で死んだ25頭中、16頭の胃からポリ袋の塊を検出。うち4頭はポリ袋が直接の死因だった。会ではSNSなどを通じて観光客らにポリ袋を捨てないよう呼びかけているが、被害は後を絶たない。
こうした状況を知った化粧品企画業「ならイズム」(田原本町)の松川英朗代表(42)が「ものづくりの立場から鹿を守る取り組みを発信できないか」と提案。その思いに、紙器製造業「ナカムラ」(同町)の中村孝士代表(48)と印刷デザイン業「文洋堂」(桜井市)の小川清代表(50)が応え、鹿紙が完成した。
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