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社説

2025年までの少子化対策 より一層の危機感が必要

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 国の少子化社会対策大綱がまとまった。2025年までの子育て支援の指針となる。

 若い世代が希望通りに子どもを持てた場合の「希望出生率」は、1・8と推計されている。この実現を最大の目標に掲げた。

 しかし現状は厳しい。18年の出生率は1・42にとどまる。19年に生まれた赤ちゃんは推計で過去最少の86万4000人で、国の想定を上回るペースで減少している。

 結婚や出産をするかしないかは個人の自由な選択だ。ただ、出産を思いとどまる背景には、教育費の重い負担や不安定な雇用環境もある。実効性のある対策を急がなければならない。

 大綱は子育てへの経済的な支援に力点を置いている。

 高等教育の無償化では、現在は対象外となっている中間所得層に配慮することが盛り込まれた。中学生までが対象の児童手当は、拡充・重点化を検討する。政府・与党内では、第2子以降の増額や高校生も対象に加えることが検討されている。

 実現には財源の確保が不可欠だが、日本の家族政策への支出は、国内総生産(GDP)比で欧州諸国より少ない。財政支出の配分や、企業負担のあり方を検討する必要がある。

 結婚にも経済的なハードルがある。若い男性の非正規労働者は、正規雇用の人に比べ未婚率が高い。待遇改善や正社員への転換に、国だけでなく企業も積極的に取り組むことが欠かせない。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、解雇・雇い止めとなった労働者は1万人を超えた。若い世代が職を失えば、結婚を考える余裕もなくなる。国は再就職支援に力を入れなければならない。企業も雇用の維持に努力すべきだ。

 感染対策で学校や保育園が休校・休園し、保護者は仕事と子どもの世話の両立に苦労した。一方でテレワークが進み、働き方も多様化した。男性の育児参加の促進につなげることができれば、少子化対策の一助になるだろう。

 新型コロナ対策で、財政状況は厳しさを増している。だからといって、少子化対策を後回しにする理由にはならない。一層の危機感を持って、迅速に対策を実行することが必要だ。

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