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詩歌の森へ

大ベテランの句業=酒井佐忠

 今年の俳句の大きな賞はいずれも大ベテランの女性の俳人に決まった。詩歌文学館賞(俳句部門)は鍵和田秞子の句集『火は禱り』(角川書店)、蛇笏賞は柿本多映の『柿本多映俳句集成』(深夜叢書社)だ。鍵和田は中村草田男の愛弟子で俳誌「未来図」創刊。徹底して「風雅の誠」を求めた。柿本は滋賀は大津の由緒ある寺の育ち。俳句は遅い出発だったが、鋭敏な感覚で若い俳人にも人気。対照的な作風が、俳句文芸の魅力を見せつけた。

 まず鍵和田の句から。<未来あり澄むにいちづの冬泉>。草田男が軽井沢で詠んだ<泉辺のわれ等に遠く死は在(あ)れよ>を思う。「泉は先生の詩の原点、詩のいのちの象徴」と鍵和田はいう。<夏の月焦土の色は彼の世まで>。少女時代、防空壕で「方丈記」を読んだのが文芸との出会い。<千年杉の影の濃き日よ西行忌>。神奈川は大磯の鴫立庵主を長く務めた。西行の<心なき身にもあはれは知られけり鴫立沢の秋の夕暮>にゆかりの…

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