- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

<本は雨のようなものじゃないかなって。雨はすべての者に分けへだてなく降りそそぎます。そして、雨の降りそそぐ土地に草木が育つように、本を読むことで人間の知恵は花開くんです>
これは私が昨年、編訳した児童書「戦場の秘密図書館 シリアに残された希望」(マイク・トムソン著)の中の一節。バーシトという名のシリア人青年が語った言葉だ。原著は英国人ジャーナリストの大人向けノンフィクション。
シリア政府軍によって封鎖され、空爆のやまない街で、バーシトたちは危険をかえりみず、がれきの中から1万4000冊もの書物を救出。地下になんと「図書館」を作る。戦火を逃れ、そこで本を読み、国の未来を語り合い、絶望的な暮らしの中にも小さな希望を見いだそうとするのだ。
この記事は有料記事です。
残り625文字(全文946文字)