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31年前の懸念がいま現実に… 中国政府が摘もうとする天安門事件の再来の芽

2019年6月4日にあった天安門事件の追悼集会では、大勢の市民がろうそくを手にして参加した=香港中心部のビクトリア公園で、福岡静哉撮影

 1989年に北京で言論の自由や政治の民主化を求めて集まった学生や市民に軍が発砲し、多数が犠牲となった天安門事件から4日で31年を迎える。香港では民主派団体が90年から毎年大規模な追悼集会を開いているが、今年は新型コロナウイルス対策を理由に開催が初めて禁止された。さらに、民主化運動を危険視する中国の習近平指導部により、香港で「国家安全法制」が実施されれば、来年以降も集会が不許可になるとの見方も出ている。

 「北京の学生を支えようと、明け方まで香港の街を行進した。返還から20年あまりで、香港の自由がここまで失われるとは、あのころ思いもしなかった」。香港で中国共産党が禁書とする書籍を扱う書店の店長を務め、2015年に訪問先の広東省で当局に拘束された経験のある林栄基さん(64)が、89年を振り返った。

 林さんら書店関係者5人が各地で次々失踪した事件は「高度な自治」を認める「1国2制度」が揺らぎつつある香港を象徴する出来事となった。林さんは19年に香港から台湾へ逃れ、20年4月に台北で書店を開いた。

 89年4月、北京で学生らによる民主化運動が始まると、当時は英国の植民地だった香港で連帯を示す運動が活発化。北京に戒厳令が出た直後の5月21日には「100万人デモ」が実施された。林さんも運動に加わった。

 天安門の惨劇が起きたとき、既に香港は97年に英国から中国に返還されることが決まっていた。このため、返還後に共産党政権による統制が強まることを懸念した人が、次々と海外移住した。いま当時の懸念が現実になろうとしている。

 林さんが言う。「中国を民主化する運動はうまくいかなかった。国家安全法制が実施されると、香港は自由も希望も無い場所になりかねない…

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