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労働力不足から外国人受け入れを広げる日本。ですが、その子どもたちの権利は十分に守られていません。解決の糸口は。

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背景に言葉の壁、いじめや差別による自信の喪失…外国籍未成年の不就学・不就労

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YSCグローバル・スクールで高校進学を目指す海外ルーツの若者=同スクール提供
YSCグローバル・スクールで高校進学を目指す海外ルーツの若者=同スクール提供

 日本で暮らし、日本の義務教育を一定期間受けたとみられる外国籍の未成年(15~19歳)の8.2%が、通学も仕事もしていない「不就学・不就労」となっていることが、毎日新聞が2015年の国勢調査を基に集計した結果で判明した。彼らは小中学校でどのような教育環境に置かれ、なぜ日本の社会に溶け込めないでいるのか。海外にルーツがある若者の高校進学を支援してきた「YSCグローバル・スクール」(東京都福生市)の事業責任者、田中宝紀(いき)さんに聞いた。【構成・奥山はるな】

--15~19歳の少年少女における不就学・不就労の割合を15年の国勢調査を基に分析したところ、外国籍は8.2%でした。15年調査では日本国籍の不就学・不就労は3.1%で、2倍以上になります。背景にはどんな要因がありますか。

 ◆この集計は、5年前に国外にいた人(留学生や技能実習生など)を除き、少なくとも1年間以上、日本で義務教育を受けたとみられる10代後半の外国籍の若者を対象としています。従って、教育機関における何らかの挫折経験の影響が、要因として考えられます。

 例えば15歳の人が5年前に10歳で来日したとします。10歳の子どもが日本語教育の支援がない状態で、授業を受けていても日本語が上達するかどうかは年齢的にギリギリで、子どもの性格などによっても習熟の速度は異なります。学校の勉強についていけるだけの日本語力は身に付きづらく、結果として本人が希望する高校に進学できなかったり、受験に失敗して再受験(浪人)するかどうか悩んでいるといった状況に置かれている可能性もあります。

 19歳の人の場合、5年前は中学3年生。編入しても、日本語が分からないまま進路未決定で卒業したり、定時制高校等に進学したものの勉強についていけずに中退した可能性も低くないと想像されます。中卒や高校中退で、かつ日本語が分からない10代の若者が働ける企業はあまり多くはないでしょう。加えて、生まれ育った国と環境が違う日本で働くことに対するイメージが持てなかったり、社会経験や情報の乏しさから教育と就労の境目で立ち止まっている状況に陥りやすいことも考えられます。

 海外にルーツがある子どもは…

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