特集

日米地位協定

在日米軍に対する特別待遇を定め、さまざまな問題を生む元凶ともされる日米地位協定。見直しを求める声が広がっています。

特集一覧

特権を問う

軍機低空飛行後に明治建築の土蔵倒壊 米は因果関係認めず 補償なく憤る住民

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
岡山県津山市で米軍機の低空飛行による振動で倒壊したとみられる井口貞信さん宅の土蔵=関係者提供
岡山県津山市で米軍機の低空飛行による振動で倒壊したとみられる井口貞信さん宅の土蔵=関係者提供

 岡山県津山市で2011年3月、農家の土蔵が突然倒壊した。周辺では多くの住民が低空飛行する米軍機を目撃したにもかかわらず、米軍は責任を認めず、いまだに被害は補償されていない。現場を訪ねると、一般市民が米軍を相手に被害を立証する難しさが見えてきた。

 山間に田畑が広がる岡山県北部の津山市上田邑(かみたのむら)。9年前のまだ肌寒い3月2日午後3時ごろ、自宅のこたつで確定申告の書類を作っていた農家の井口貞信さん(75)は轟音(ごうおん)と家が持ち上がるような振動に見舞われた。裸足で外に飛び出すと、庭の土蔵がぐらぐらと揺れ、目の前で倒壊した。

 土蔵から5メートルほどの場所に倒れていた井口さんの母親は「飛行機じゃ。頭の上を通った!」と言った。爆風で立っていられず、しばらく耳も聞こえなくなったという。近くに米軍基地はなく、米軍機を見かけた記憶もない。「なぜこんな場所で……」。苦悩の日々が始まった…

この記事は有料記事です。

残り1190文字(全文1586文字)

【日米地位協定】

時系列で見る

関連記事

あわせて読みたい

マイページでフォローする

ニュース特集