ECB、量的緩和を拡大　「コロナ危機が終わったと判断するまで行う」

　欧州中央銀行（ECB）は4日、定例理事会を開き、新型コロナウイルスの感染拡大による経済減速に対応するため、金融機関から資産を買い入れて市場に資金を供給する量的緩和策を拡大することを決めた。3月に新型コロナ対応のために設けた買い入れ枠の規模を6000億ユーロ（約73兆円）増やし、計1兆3500億ユーロとする。年末までとしていた買い入れ期間も「少なくとも2021年6月末まで」と半年間延長した。

　感染が減少傾向にある欧州では、移動制限の緩和や経済活動の再開が始まったものの、ECBはユーロ圏の20年の実質成長率をマイナス8.7％と予測するなど本格回復には時間がかかるとの見方を強めている。「2％弱」を目標とするユーロ圏の物価上昇率も、エネルギー価格の下落が響いて5月は0.1％と16年6月以来の低水準となり、デフレ懸念も高まっている。ECBは声明で、資産買い入れを「新型コロナ危機のフェーズが終…