「女・男の気持ち」(2020年5月28日~6月3日、東京・大阪・西部3本社版計21本)から選んだ「今週の気持ち」は、東京本社版5月31日掲載の投稿です。
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<今週の気持ち>
子育ては疲れる
東京都東村山市・南川奈津子さん(公務員・47歳)
「宿題はやった? 朝の体温、記入してないよ」「うるせーな」
新型コロナウイルスの影響で自粛生活を送ることになり、私も中学2年生の息子も自宅にいる時間が増えた。言い争うことも多い。
勤続20年以上。息子が1歳のときから保育園に預け、熱が出たら祖父母に預けた。私はほとんどトイレトレーニングもせず、保育園の先生がやってくれた。息子は小学校の放課後、学童クラブで楽しく過ごし、学童後はファミリーサポートに頼って帰宅した。
思い返すと、私の子育ては人に頼りっぱなしだったと思う。それなのに、まるで1人で育ててきたかのように他人にアドバイスすることもあり、今になってみると恥ずかしい。
コロナ自粛で、今まで見ないようにしてきた息子のだらしなさやずるさが目に付き、けんかすることもある。でも、やっと息子をきちんと見ることができているような気がする。
息子にだって嫌な面はある。人間だもの。いいときばかりじゃない。でも、良い面も悪い面も、どちらも息子なのだ。今まで息子にかかわってくださった周りの方々に感謝したい。本当にありがとうございました。
子育ては疲れる。嫌になることもある。けれど、母親は私なんだと気づかされた自粛生活のこのごろだ。
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<担当記者より>
自粛期間は子育てを振り返るいい機会になった、という南川さんの投稿に担当記者も大きくうなずきました。
一人で大きくなったような顔をする子どもに腹の立つこともありますが、振り返ると担当記者だって、母親としてたいしたことはしていません。子どもを1人で育てたわけではないことに気付きます。そのくせ「先輩ママ」として後輩にアドバイスなんかしてしまって……もう自己嫌悪です。子どもは、まさに「社会が育てる」存在だと実感し、周囲への感謝の気持ちが改めてわいてきました。
専業主婦のお母さんも、こんなに長期間、丸一日、子どもと向き合ったのは乳幼児期以来ではないでしょうか。在宅勤務になったお父さんは、もしかしたら初めての経験かもしれませんね。ウィズコロナ時代の子育てで、見えてきたこともあるのではないでしょうか。
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