大阪人権博物館、無念の休館 薬害エイズ死の19歳、生きた証し 差別の過去、消さないで 白山の母親 /石川

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薬害エイズで亡くなった岩崎孝祥さんの写真や絵画などの遺品が並ぶコーナー。入院時のパジャマにパッチワークを施したキルトの裏には多くのメッセージが書かれている=大阪市浪速区の大阪人権博物館で2020年5月28日、菱田諭士撮影
薬害エイズで亡くなった岩崎孝祥さんの写真や絵画などの遺品が並ぶコーナー。入院時のパジャマにパッチワークを施したキルトの裏には多くのメッセージが書かれている=大阪市浪速区の大阪人権博物館で2020年5月28日、菱田諭士撮影

 薬害エイズで亡くなった県内の青年の遺品展示から、ウイルス感染者やその家族への差別を考えるコーナーが大阪人権博物館(リバティおおさか)=大阪市浪速区=にあったが、同館が5月末に休館したため見学できなくなった。遺品は、母親が同じ過ちが繰り返されないように願い、寄託したものだ。同館は、大阪市の建物解体と敷地返還の要求によって休館へと追い込まれた。母親は「この国は偏見や差別をすぐに過去のものとして消そうとするが、事実から学ぶことは何より大切。それができない日本の社会とは何だろうかと思うばかりです」と問いかけた。【戸田栄】

 母親は、白山市在住の上野和美さん(69)。長男の岩崎孝祥(たかよし)さんは、出血が止まりにくい病気の血友病を患っていた。治療にはHIV(エイズウイルス)が混入した非加熱血液製剤が用いられ、孝祥さんはエイズ(後天性免疫不全症候群)に感染して1993年4月に19歳で亡くなった。

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