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余録

物好きが夜に集まり…

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 物好きが夜に集まり、怪談を語り合う「百物語」は江戸時代前期に始まった。油皿に100の灯心を並べて点じ、一つ怪談が語られるたびに1本抜いていく。部屋はだんだん暗くなり、やがて最後の1本に……▲実はこの会、始まったころの記録では冬に行われている。幽霊は夏というのは、後の時代の歌舞伎が暑い盛りの不入りの対策に、刺激の強い怪談を演目にしたためらしい。どうも芝居小屋の都合が怪談を夏の風物詩にしたようである▲人の都合で仕込まれた怪談は国のコロナ禍対策にも紛れ込んだらしい。持続化給付金の給付事業を769億円で委託された社団法人が、実体の乏しい幽霊法人だと野党が追及している。同事業は749億円で電通に再委託されていた▲野党が調べたら、法人の事務所に仕事する人の姿はなく、代表理事は事業を知らなかったというから怪談である。経済産業省は入札情報の開示も拒んでおり、法人では電通などの出向者が事業全体の工程管理を行っていると説明した▲事業は電通からさらに子会社などに再々委託されていて、その全体像が何とも不透明である。公金を動かしているのに責任の所在もよく分からない。この仕組みが無駄な費用や非効率の温床とならないのか、誰もが気になるところだ▲何兆円もの公費を一刻も早い支給を待つ事業主に届けねばならぬ持続化給付金である。そこに実体不明の幽霊などが出る幕はないはずだ。なぜこんな仕儀(しぎ)となったのか、ぜひとも知りたい「怪談の都合」だ。

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