公害調停成立から20年 産廃91万トン撤去した「ごみの島」は今

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豊島に残るかつての不法投棄現場(手前)=香川県土庄町で2020年6月2日午後0時39分、本社ヘリから木葉健二撮影
豊島に残るかつての不法投棄現場(手前)=香川県土庄町で2020年6月2日午後0時39分、本社ヘリから木葉健二撮影

 国内最大級といわれた豊島(てしま)(香川県土庄(とのしょう)町)の産業廃棄物不法投棄事件を巡り、住民と香川県の間に公害調停が成立してから6日で20年。昨年7月に産廃の撤去がようやく完了し、島民は元々の「きれいな島」を取り戻す第一歩を踏み出している。

 廃車の破砕ごみ、汚泥……。1980年代前半から90年にかけ、県が許可した処理業者によって有害物質を含む大量の産廃が違法に持ち込まれ、「ごみの島」と呼ばれた。島民は業者の監視を怠ったとして、93年に香川県などを相手取り公害調停を申請。2000年に調停が成立し、県は謝罪し、投棄された産廃全てを撤去する義務を課せられた。撤去作業で処理された産廃は、03年からの16年間で計約91万3000トンに及んだ。

 島民は当初、地域振興につながる跡地利用を検討してきたが、少子高齢化で島の人口は調停申請時の約1400人から782人(5月1日現在)に半減。産廃問題を協議する住民会議は昨年10月、地下水の海への流出を防ぐ遮水壁を全て取り除き、自然の力で元の海岸に回復させることを求める要望書を県に提出した。跡地は瀬戸内海国立公園の特別地域内にあり、「人手をかけず、時間がかかってでも白砂青松の美しい海岸を取り戻したい…

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