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カラオケスナック看板外す「無念」 還暦記者、人の心揺さぶる歌を諦めず

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2016年7月、「歌なかま」で行われたミニコンサートで熱唱する紅晴美さん=ビデオから
2016年7月、「歌なかま」で行われたミニコンサートで熱唱する紅晴美さん=ビデオから

 あれはまだ緊急事態宣言が出ていたころ、自宅の近所をぶらぶら散歩していて、足を止めたことがあった。東京は西武新宿線上石神井駅そばの雑居ビル前に赤いソファやキラキラ光るモール、コースターが積み上げられていたのだ。張り紙に<どうぞご自由にお持ち帰りください>とある。いつだったか、ほろ酔いでお邪魔した「カラオケステージ 歌なかま」だ。最新のカラオケ機器、小ぶりながら歌手気分にさせてくれる舞台、ソフトドリンクとお菓子がついて昼1300円、夜1700円で歌い放題。歌好きにはたまらない空間だった。もしや? 4月30日、新しい張り紙が出た。

 <休業なかばですが……先の見通しが立たず、無念のおもいで「閉店」いたします>

 「無念」の2文字が気になった。宣言が解除されたので、歌手でもあるマスターの水沢きよしさんに電話した。しばしの沈黙があって「私の無念、聞いてくれますか」。駅構内にあるパン屋のイートインで待ち合わせた。「張り紙は3度か4度、張り替えました。4月の初めは都の自粛要請に協力し、休業しますとだけ書いたんです。でもカラオケは『3密』になりがちだし、お客さんの平均年齢は70歳を超えている。私自身も高齢者だからね。悩みましたよ。家賃もかさんで……」。1970年代半ばから中野でカラオケスナックを営んできたが、もっと気軽に立ち寄れ、たっぷり歌えるステージを、と願い続けた。ようやく「歌なかま」が誕生したのは2015年暮れ、つまり5年足らずでの幕だったのだ。

 浅草生まれ…

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