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大学はなぜ本格再開しない? クラスター発生、学生の孤立化…絡み合う懸念

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「オンラインゼミ合宿」に参加する明治大国際日本学部の学生たち。活発な議論が交わされたという=2020年4月25日(明治大の山脇啓造教授提供)
「オンラインゼミ合宿」に参加する明治大国際日本学部の学生たち。活発な議論が交わされたという=2020年4月25日(明治大の山脇啓造教授提供)

 新型コロナウイルスの影響で休校が続いていた小中学校や高校が再開する中、大学は慎重な動きが目立つ。前期は基本的にオンライン授業で行うことを決めたり、構内への立ち入りを制限したりするケースが少なくない。一方で、学生の孤立化や修学意欲の低下が懸念されている。なぜ大学の本格再開は遅れているのか。

基本は「前期の授業、オンラインのみ」多く

 福島大は前期の授業をオンラインのみで行うことを決めている。約4000人の学生の55%が県外出身者で、新型コロナウイルスに伴う休校で帰省してしまった学生も多い。「もし対面授業を再開させると、全国から学生が集まり、再び感染リスクが高まる。クラスター化防止を万全にしたい」(担当者)

 全国で唯一、感染者が確認されていない岩手県にある岩手大も同様の理由で前期は基本的にオンライン授業を続ける。約5400人の学生の半数以上は感染者が多い関東や北海道を含めた県外出身者で帰省中の学生もいる。移動自粛が緩和されれば第2波を誘発することが懸念される。大学は独自に、感染状況で5段階に対応を分けた指針を作成し、感染者が県内にいなければ「対面授業が可能」としているが、担当者は「大学から県内初の感染者があってはならない」と慎重だ。

 大学が学内からの感染者の発生を恐れる背景には、京都産業大で3月にクラスターが発生し、激しい批判を浴びたこともある。欧州を3月上~中旬に旅行して帰国した学生3人が感染したが、判明前にゼミやサークルの懇親会に参加し、感染が学内外に拡大した。その後、大学関係者への差別が相次いだ。ある大学関係者は「あのケースを見ているので慎重にならざるを得ない」と明かす。

 文部科学省によると、全国の大学、短大、高等専門学校1069校のうち、6月1日時点で授業をしているのは1066校。このうち約6割が「オンラインなどの遠隔授業のみ」で、少なくとも89校が7月末まではそれを継続するという。

 学生はどう受け止めているのか。関西の私立大に今春入学した男子学生(18)は4月初めに大学の説明会に参加しただけで、自宅で遠隔授業をこなす日々。…

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