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第94回センバツ高校野球

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“松井5敬遠”28年後の馬淵×林対談

選手に告げた「5敬遠は気にせずに」27年ぶり公式戦の舞台は神宮(第6回)

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第50回記念明治神宮大会高校の部1回戦で、1992年夏の甲子園以来2度目の公式戦での対戦となった明徳義塾と星稜=神宮球場で2019年11月15日、玉城達郎撮影
第50回記念明治神宮大会高校の部1回戦で、1992年夏の甲子園以来2度目の公式戦での対戦となった明徳義塾と星稜=神宮球場で2019年11月15日、玉城達郎撮影

 1992年夏の甲子園で明徳義塾が星稜の4番・松井秀喜に取った5打席連続敬遠策。高校野球史に刻まれた戦略などについて、明徳義塾(高知)の馬淵史郎監督(64)と星稜(石川)の当時2年生遊撃手として出場した林和成監督(44)が語る、ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」での高校野球監督対談。第6回は、27年ぶりに対戦した2019年11月の明治神宮大会での心境を語った。【構成・安田光高】

第50回記念明治神宮大会高校の部1回戦【明徳義塾-星稜】力投する星稜の先発・荻原=神宮球場で2019年11月15日、玉城達郎撮影
第50回記念明治神宮大会高校の部1回戦【明徳義塾-星稜】力投する星稜の先発・荻原=神宮球場で2019年11月15日、玉城達郎撮影

「ワクワクした」名将との対戦に心躍った林監督

 ともに甲子園は春夏計30回以上出場している両校。過去、公式戦での対戦は92年夏の甲子園のみだったが、練習試合で対戦したことはあった。

 馬淵監督 (練習試合では)2回ありますね。1回目は高知の創立記念。星稜を高知が招き、メインは高知と星稜。前座で星稜と明徳義塾。あと1回は、鳴門工(徳島)のグラウンドで練習試合をやった。2回ともうちが勝たせてもらっています。

 林監督 一度も勝たせてもらっていない(笑い)。

 秋季地区大会を優勝した全国10校が集い、「秋の日本一」を決める明治神宮大会高校の部。1回戦で「5打席連続敬遠」以来の公式戦対決として注目を浴びた一戦は、8―5で明徳義塾に再び軍配が上がった。試合後、林監督は「あまり意識しないように(相手)ベンチを見ないようにした」とコメントした。

第50回記念明治神宮大会高校の部1回戦(明徳義塾-星稜)、五回裏星稜2死二、三塁、中田が右翼線2点二塁打を放つ=神宮球場で2019年11月15日、玉城達郎撮影
第50回記念明治神宮大会高校の部1回戦(明徳義塾-星稜)、五回裏星稜2死二、三塁、中田が右翼線2点二塁打を放つ=神宮球場で2019年11月15日、玉城達郎撮影

 林監督 名将と呼ばれる馬淵監督と試合ができることで、ワクワクしていた。馬淵さんの試合のペースに持っていかれないように、ベンチ、監督を見ないようにしたが、どうしても意識してしまう。どういう指示を送るのか、チラチラ見ながら試合に入った。やはり意識しましたね。

 対する馬淵監督も試合後、「27年ぶりに戦えて、私自身も忘れていたものを少し思い出せた。ありがたかった」と感慨深い様子だった。

第50回記念明治神宮大会高校の部1回戦、「5打席連続敬遠」以来27年ぶりに公式戦で対戦する明徳義塾と星稜=神宮球場で2019年11月15日、玉城達郎撮影
第50回記念明治神宮大会高校の部1回戦、「5打席連続敬遠」以来27年ぶりに公式戦で対戦する明徳義塾と星稜=神宮球場で2019年11月15日、玉城達郎撮影

 馬淵監督 (もう)一度は公式戦で星稜と試合をしたいと思ってやっていた。周りから注目された分だけ、他校とやるより意識した。全国大会でやれるということで、選手には「過去の5敬遠とか、注目されることはあまり気にせずに普通にやっていこう」と言っていた。

 明治神宮大会では、2回戦で優勝した中京大中京(愛知)に敗れた明徳義塾だが、星稜とともにそれぞれ課題を見つけて冬場の練習に取り組んだ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、今春の第92回選抜高校野球大会は中止となったが、両監督はチームの仕上がりに手応えを感じていたという。

 馬淵監督 手応えは今年はあった。昨秋の高知大会ではもたもたしたが、四国大会でちょっと勢いがついて勝てた。仕上がりが非常に良くて、冬場のトレーニングはハードにやるが、けが人もなく、良い感じに調整できていたもんで、センバツでの勝ち負けは分からないが、良い試合ができてると思っていたんですけどね。

 林監督 冬場は雪も少なく思うように練習ができて、私どもは昨秋の敗戦からもう一度、明徳義塾とやるぞというモチベーションでやって、(練習は)予想していた以上にできていた。選手の仕上がりも良かったので非常に楽しみだった。

 コロナ禍で5月20日には夏の甲子園と地方大会の中止も発表された。昨秋から作り上げてきたチームの集大成として、両校は今、代替大会に向けて準備を続けている。=つづく

第50回記念明治神宮大会高校の部1回戦(明徳義塾-星稜)、力投する明徳義塾先発・新地=神宮球場で2019年11月15日、玉城達郎撮影
第50回記念明治神宮大会高校の部1回戦(明徳義塾-星稜)、力投する明徳義塾先発・新地=神宮球場で2019年11月15日、玉城達郎撮影

明徳義塾

 1976年創立の中高一貫の私立校。野球部も同年創部した。甲子園初出場は明徳時代の82年春。夏は初出場の84年から2014年まで初戦16連勝。02年夏に甲子園初優勝。4強以上は松坂大輔(西武)を擁した横浜(神奈川)に敗れた98年夏を含め、春夏計6回。春は19回出場で25勝18敗、夏は20回出場で34勝19敗。

馬淵史郎

【中央学院5-7明徳義塾】試合後に笑顔を見せる明徳義塾の馬淵史郎監督=阪神甲子園球場で2018年3月25日、平川義之撮影
【中央学院5-7明徳義塾】試合後に笑顔を見せる明徳義塾の馬淵史郎監督=阪神甲子園球場で2018年3月25日、平川義之撮影

 まぶち・しろう 愛媛・三瓶高、拓大では遊撃手。1986年に社会人野球・阿部企業の監督として日本選手権準優勝。87年から明徳義塾高のコーチを務め、90年に監督就任。甲子園は2002年夏に優勝。春夏通算51勝(32敗)は歴代4位タイ。U18(18歳以下)アジア選手権大会に出場する高校日本代表監督も務める。同校スポーツ局長。

星稜

 1962年に創立し、野球部も同年創部。山下智茂監督が率いて72年夏に甲子園初出場。79年夏の3回戦、箕島(和歌山)との延長十八回の激闘は「高校野球史上最高」の試合とも呼ばれる。95年夏には2年生エース・山本省吾(元ソフトバンク)を擁して準優勝。2019年夏も準優勝に輝いた。春は14回出場で9勝13敗、夏は20回出場で24勝20敗。

第101回全国高校野球選手権大会決勝(履正社—星稜)、グラウンドを見つめる星稜の林監督=阪神甲子園球場で2019年8月22日、幾島健太郎撮影
第101回全国高校野球選手権大会決勝(履正社—星稜)、グラウンドを見つめる星稜の林監督=阪神甲子園球場で2019年8月22日、幾島健太郎撮影

林和成

 はやし・かずなり 金沢市出身。星稜高では主に遊撃手として活躍し、甲子園に春1回、夏2回出場。日大では準硬式野球部に所属。星稜高で1998年からコーチ、2004年から部長をそれぞれ務め、11年4月に監督に就任した。春夏通算11勝7敗。2019年夏の甲子園では奥川恭伸(ヤクルト)を擁して準優勝した。社会科教諭。

第50回記念明治神宮大会、明徳義塾-星稜のスコア
第50回記念明治神宮大会、明徳義塾-星稜のスコア

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