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「小池外し」逆手に 既得権益と闘う姿勢を演出する都知事の世論獲得戦略

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4者協議の前に言葉を交わすIOCのジョン・コーツ調整委員長(左)と東京都の小池百合子知事=東京都中央区で2019年11月1日正午(代表撮影)
4者協議の前に言葉を交わすIOCのジョン・コーツ調整委員長(左)と東京都の小池百合子知事=東京都中央区で2019年11月1日正午(代表撮影)

 東京・神保町にある靖国通り交差点の一角には、蒸し暑くなると屋根からミストシャワーが噴き出す木製ベンチがある。交差点は東京オリンピック・パラリンピックのマラソンで選手が3回通過するはずだった。ベンチは地元の商店会が観客の暑さ対策も兼ね、2019年9月に設置した。だが、2カ月後、五輪マラソンは札幌移転が決まった。

IOC発表前日に小池氏に知らされた五輪マラソン札幌移転案

 「パラリンピックは残った。街を良くするきっかけにしたい」。古書店を営む地元商店会長の高山肇さん(72)は来夏に延期された大会に向け、各店に障害者用トイレを増やす取り組みも進めたいという。ただ、数百万円の設置費用がかかり都にも補助制度はない。

 小池百合子知事は札幌移転の“見返り”として、大会後に東京のコースで「セレブレーションマラソン」を開催する約束を国際オリンピック委員会(IOC)から取り付けた。ただ、高山さんは「お祭りみたいなものにお金を使う必要はない。東京が良くなる堅実なことをしてほしい」と違和感を抱く。

 突然の移転は昨秋、中東であった陸上の世界選手権に端を発する。マラソンと競歩で、深夜にもかかわらず暑さで棄権者が続出し、IOCが東京五輪の猛暑に危機感を募らせたのだ。

 小池氏に移転案が知らされたのはIOCの発表前日の10月15日。大会組織委員会の森喜朗会長は移転案を受け入れ、国内調整を水面下で済ま…

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