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恋ふらむ鳥は

/21 澤田瞳子 画 村田涼平

「遠い駿河から運んでくるのです。故障する船とてありましょう。不吉ばかり仰せられると、宝女王さまがお怒りになられますよ」

 語気を強め、額田は腕の中の葛箱(かずらばこ)を抱え直した。すると漢は傍らからそれをひょいと取り上げ、「なんだ。おめえも葛城に心酔している一人か」と言いざま、先に立って仮宮の門をくぐった。

 葛箱には着替えの袍(ほう)や裳(も)とともに、汗衫(かざみ)(下着)の類まで入っている。顔を赤くして追いすがった額田を振り返りもせず、漢は門の向こうに立ち止まった子麻呂に軽く手を振り、宮の奥へずんずんと踏み入った。

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