特集

Listening

話題のニュースを取り上げた寄稿やインタビュー記事、社説をもとに、読者のみなさんの意見・考えをお寄せください。

特集一覧

社説

沖縄知事与党が過半数 国は結果踏まえた行動を

  • コメント
  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷

 沖縄県議選で、玉城(たまき)デニー知事を支える共産、社民、無所属などの県政与党が過半数を維持した。

 玉城氏は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画見直しを政府に求めてきた。その県政の中間評価の意味合いがあった。

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政党幹部や他県からの選挙応援は見送られた。県民からは「コロナ禍で、選挙どころではない」という声も出ていたという。投票率は過去最低の46・96%にとどまった。

 菅義偉官房長官は、移設容認を掲げた自民党が3議席増やしたことに触れ、「地元ではかなり(移設への)理解が進んできているのではないか」と語った。

 本当にそうだろうか。確かに県政野党と与党の議席差は縮まったが、自民、公明両党などが目指した与野党逆転には至らなかった。その意味で、辺野古反対の民意に大きな変化はうかがえない。

 「辺野古ノー」の民意は、玉城氏が初当選した2018年9月の知事選以降、繰り返し示されてきた。19年2月の県民投票では7割超が辺野古沖の埋め立てに反対した。衆院沖縄3区補欠選挙では、反対派が大差で当選した。

 一方、政府はこの間、県民の反対を押し切り、埋め立て工事を強引に進めることで移設を既成事実化しようとしてきた。

 県議選で、自民、公明両党などは辺野古問題より、経済振興や観光政策に焦点を当てた。移設工事はコロナの影響で4月下旬に中断したが、再開しなかったのも県議選への影響を考慮した判断だ。

 ただ、こうしたやり方が必ずしも功を奏しているとは言えない。

 玉城氏は県議選の後、「辺野古反対の民意は揺らいでいない」と語った。移設中止を引き続き政府に求める考えだ。

 政府は、埋め立て工事を推し進め、県が工事阻止に動けば法廷闘争に持ち込む構えを崩していない。これでは、これまでと同様に解決の糸口を見いだすことにはつながらず、国と県の対立が深まるばかりだ。

 県議選が終わったことを受け、政府は近く工事を再開させる方針という。だが、再開を強行するのではなく、いったん立ち止まって民意と誠実に向き合うべき時だ。

コメント

※ 投稿は利用規約に同意したものとみなします。

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

ニュース特集