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コロナ下の開幕

新型コロナウイルスの感染拡大後、国内プロスポーツの先陣を切って始まるプロ野球のセ・パ公式戦。コロナ下で迎える今季を待ち受ける数々の課題に迫ります。

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コロナ下の開幕

エアハイタッチ、マスク姿の球審… プロ野球、シーズン続行のため手探りの予防

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練習試合で本塁打を放った西武・スパンジェンバーグ(右から2人目)をエアハイタッチで迎えるマスク姿の辻発彦監督(同3人目)。今季はこんなシーンが日常になりそうだ=東京ドームで2020年6月2日、玉城達郎撮影
練習試合で本塁打を放った西武・スパンジェンバーグ(右から2人目)をエアハイタッチで迎えるマスク姿の辻発彦監督(同3人目)。今季はこんなシーンが日常になりそうだ=東京ドームで2020年6月2日、玉城達郎撮影

 今月5日。練習試合再開後、本拠地のメットライフドームで初の試合を終えた西武の辻発彦監督は驚いた。取材対応のため、三塁側ファウルグラウンドに立つと、目の前の客席に新型コロナウイルス感染防止のためのアクリル板(縦1・2メートル、横1・5メートル)が置かれていた。普段、周りを取り囲む記者は、そこからさらに2メートル離れたところに立っていた。「うわっ、遠いな。耳が遠いから(大きい声で)頼むよ」。苦笑いの辻監督に聞こえるよう、マスク姿の記者は声を張り上げた。

 今月19日の開幕に向けて2日に再開された練習試合では見慣れない光景が相次いだ。選手は手を合わせない「エアハイタッチ」で好プレーを喜び、球審はマスクを着用。「必要以上に声を発しない」「攻撃時は控え選手がスタンドに移動してベンチ内での『密』の状態を避ける」など球団独自の対策も目立つ。選手や監督らと記者との距離を保つのも感染防止策の一つだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、球界は今季、前例のない対応を強いられている。当初は3月20日に開幕予定だったが、東日本大震災が起きた2011年以来史上2度目の開幕延期を決定。交流戦やオールスターゲームを中止し、開幕は約3カ月遅れることに。当面は初の無観客で開催する。

 新たな開幕時期を模索する中で日本野球機構(NPB)と12球団は…

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