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岡崎 武志・評『宿無し弘文 スティーブ・ジョブズの禅僧』『サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する』ほか
2020/6/9 21:23(最終更新 6/9 21:23)
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今週の新刊
◆『宿無(やどな)し弘文(こうぶん) スティーブ・ジョブズの禅僧』柳田由紀子・著(集英社インターナショナル/税別1900円)
アップル創始者が若き日に禅を学び、それがミニマルで美しく、創造力に富む同社の姿勢と製品を生んだ、という話がある。柳田由紀子『宿無(やどな)し弘文(こうぶん) スティーブ・ジョブズの禅僧』はその真相を突き止めた本と言っていい。
ジョブズが「生涯の師」と仰いだのが禅僧・乙川弘文。1960年代後半に渡米、そこで当時のヒッピーや迷える若者たちに「ZEN」を指導し、広めた。その中に学生だったジョブズもいた。しかしこの禅僧、すこぶる異色であった。3回の結婚、放浪、酒乱と浪費、最後は池でおぼれ死んだ。
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