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社説

コロナ下の医療機関 経営の危機招かぬ支援を

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 新型コロナウイルスの感染拡大が、医療機関の経営に影響を及ぼしている。

 病院団体の全国調査によると、4月の病院収入は前年同月に比べ1割減少した。約3分の2の病院が赤字だった。

 特にコロナ感染症の患者を受け入れている病院は深刻だ。赤字の病院は約8割に上る。

 経営を圧迫する要因には、コロナ患者の治療に伴う負担増がある。重症患者には、医師、看護師を通常より手厚く配置して対応しなければならない。スムーズな患者受け入れのためには、病床を空けておく必要もある。

 感染リスクの影響も出ている。外来では待合室が混み合うため、コロナ患者を受け入れていない医療機関を含め患者が受診を控えている。一般の手術では、感染防止のため延期するケースがある。

 医療機関はもともと人件費比率が高く、高額な医療機器も少なくない。コスト削減が進みにくく、収入減の影響は大きい。

 厚生労働省は、コロナ患者が集中治療室で治療を受ける場合の診療報酬を3倍に引き上げた。コロナ専用病棟では、空いている病床に補助金を支払う。十分な医療体制を確保するために、こうした支援策は不可欠だ。

 一般の病院や診療所に対しては公的機関が無利子融資枠を拡大する。診療報酬は支払いまで約2カ月かかるが、期間を短縮する。

 日本医師会は診療報酬の増額を要望したが、政府は一般の医療機関には資金繰り支援にとどめた。増額は患者の負担増に直結するためだ。他の業界に対する支援との兼ね合いにも配慮したのだろう。

 患者の受診控えには、感染予防を徹底することはもちろんだが、オンライン診療のいっそうの活用などを図るべきだ。

 病院団体は、院内感染が起きた場合に患者や職員を迅速に検査する体制の整備も求めている。感染が広がると入院患者の受け入れ中止や外来休診が長引き、経営を直撃するからだ。保健所や自治体は確実に対応してほしい。

 医療機関は、コロナ以外の病気の治療も含め、欠くことのできない社会基盤だ。経営危機で医療サービスを低下させないよう、適切な支援策が求められる。

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