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「人生観変わった」テレワークきっかけに地方移住 高まる関心、人気の土地は

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仕事の合間に海を眺める長尾周一さん=神奈川県小田原市で2020年6月3日午後0時12分、本橋敦子撮影
仕事の合間に海を眺める長尾周一さん=神奈川県小田原市で2020年6月3日午後0時12分、本橋敦子撮影

 新型コロナウイルスをきっかけに、都市部を離れて地方で暮らすことへの関心が高まりつつある。テレワークや遠隔授業によって都心に住む必要性が低下したことが人々の背中を押しており、政府や自治体からは地方創生への期待の声も聞かれる。これまで続いてきた「東京一極集中」の大きな流れ。変化の兆しは本物なのか。現場を取材した。

「高い家賃払ってまで東京に住む理由なくなった」

 6月初旬の平日の昼下がり、神奈川県小田原市の古民家には柔らかな日差しが降り注いでいた。海までは歩いて3分ほど。長尾周一さん(26)は仕事の合間に浜辺に下りて相模湾を眺める。これまでなかった習慣に「心に余裕ができた」と顔をほころばせた。

 長尾さんは東京都内の大手IT企業で人事部に所属。新型コロナに伴う職場のテレワーク方針を受けて、3月から1人で渋谷区・恵比寿の賃貸マンションの一室に閉じこもる日々が続いた。近所の商店も相次ぎ閉店する中で「高い家賃を払ってまで東京に住み続ける意味がなくなった」と感じるようになった。

 5月にマンションの賃貸契約を解約。緊急事態宣言の解除後も、会社はテレワーク推奨の方針を維持しており、出社する必要はない。長尾さんは現在、定額で全国の契約物件に住めるベンチャー企業「アドレス」(東京)のサービスを利用して週1~2回の住み替えをしながら関東を中心に多拠点生活を送っている。「都会では会えなかった人と会えた。こういう生き方もあるのかと人生観が変わった」と話す。

 新型コロナをきっかけに、都心での生活に見切りを付けて地方への移住を望む人たちが増えつつある。都内のIT企業「ランサーズ」で営業を担当する細川翔貴さん(27)は、地元の仙台市への移住を検討している。近年、地元の親しい人たちを亡くした経験もあって「気心知れた人たちと離れた場所に住んでいるのは精神的につらい」と感じていた。

 2月中旬から始めたテレワーク…

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