後を絶たない「国際ロマンス詐欺」 荒唐無稽な作り話、なぜだまされる?

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求婚された外国人から150万円を要求された女性は「何度も甘い言葉を送ってくる人には気をつけた方がいい」と語った=東京都内で2020年6月8日午後2時19分、高田奈実撮影
求婚された外国人から150万円を要求された女性は「何度も甘い言葉を送ってくる人には気をつけた方がいい」と語った=東京都内で2020年6月8日午後2時19分、高田奈実撮影

 インターネットを通して知り合った外国人が交際や結婚をほのめかし、恋愛感情を抱かせて多額の現金を要求する「国際ロマンス詐欺」の被害が後を絶たない。なぜ荒唐無稽(むけい)な作り話にだまされてしまうのか。世界保健機関(WHO)の職員を自称し「ブライアン」と名乗る男から150万円を要求された女性が、被害者が生まれないように願って取材に応じた。【高田奈実】

「米国出身の外科医」

 東京都内の医療機関に勤める50代後半の女性は、今年2月、婚活サイトに登録した。それまで数年間、飲食店の経営に携わり、働き詰めの日々が続いた。ふと気がついたら還暦近く。「家に帰って話をして、愛情を共有できる人を真剣に探そうと思った」と振り返る。

 登録の翌日、自分に「いいね」を送信してくれた男性の中に、1人だけ外国人がいた。米国出身の53歳の外科医を自称し、ブライアンと名乗った。WHO主催のセミナーに参加するために東京に来ているといい、都内の高級ホテルに滞在する写真を送ってきた。

 女性は20代の時に客室乗務員として航空会社に勤務し、米国で5年暮らした経験があり、英語は堪能だ。すぐにブライアンと無料通信アプリ「LINE(ライン)」でメッセージのやりとりや通話をするようになった。彼からの連絡は毎日途絶えず、「愛している」「結婚して日本に住みたい」などと甘い言葉で求婚された。

 一方で、「見張りが付いているから自由に身動きできない」と直接会うことは拒否され続け、2月にブライアンが米国に帰ることになった。その後、WHOから紛争が続くシリアへの派遣を言い渡されたという。「絶対に行きたくない」。落ち込んだ様子で電話を掛けてきた彼を女性は慰めた。

「ネットバンク」に1098万ドルの振り込み

 シリアと日本では6時間の時差があるものの、渡航後も現地の昼食時間帯になるとその日に食べた料理の写真が届いた。「今日は足を負…

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