(文藝春秋・1650円)
小池百合子は、自分の生い立ちや経歴を「売り物」にしてきた政治家である。彼女の物語に欠かせないのが「カイロ大学を首席で卒業」という経歴だ。カイロ大学はエジプトの難関大学だが、そこを日本人女性として初めて卒業したという話が、彼女の口から繰り返し語られてきた。選挙の際も、この学歴が公的文書に明記されている。外国人が口語・文語両方のアラビア語を使いこなし、最高学府を留年なしに卒業するのは至難の業である。この難関を華麗にクリアした才女というイメージが、彼女をテレビキャスターに押し上げ、政治家としての活躍につなげた。
しかし、カイロ大学卒業という学歴には、これまで繰り返し疑問が投げかけられてきた。エジプト人でも4人に1人は留年すると言われる難関を、片言のアラビア語の小池が、どうやって卒業できたのか。この疑問を、小池は何度も巧みにかわし、乗り切ってきた。
この記事は有料記事です。
残り978文字(全文1380文字)
毎時01分更新
福岡市の商業施設で起きた女性刺殺事件で、鹿児島家裁が19日…
北海道から大阪に向かうピーチ・アビエーションの飛行機内で2…
入院拒否に「懲役」は、妥当なのか――? 政府は、感染症法な…