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シリーズ・疫病と人間

合理的だったドイツを、ナショナリズムが覆う マルクス・ガブリエル氏(哲学者)

多くの結婚式キャンセルに伴い、補償を求め、ベルリン・ブランデンブルク門前に式の飾りつけをして抗議するブライダル業者ら。ドイツでは政府の対応を評価しつつ、デモを行う人々も多い=ベルリンで9日、ロイター

 危機における民主主義や道徳はどうあるべきか。気鋭の哲学者として注目を集めるドイツ・ボン大学教授のマルクス・ガブリエル氏(40)に聞いた。【聞き手・ボン(独西部)念佛明奈】

 ◆合理的だったドイツを、ナショナリズムが覆う 道徳的な新しい世界へ、日本の視点がほしい

 良質な民主主義の下では、自分が賛成している事柄でもあえて批判することがある。私は(新型コロナウイルスの感染が拡大した)危機下において、ドイツ政府がしてきたほぼ全てを支持するが、それでも批判はする。批判は他の選択肢を可視化するためのものだ。現在の危機の中で、新たな種類の社会を創造するためには、もっと批判的思考が必要だ。

 危機の時に人々が支持するのは、良いことをするリーダーだ。富が無限にあるような時は、人々はトランプ米大統領を支持する余裕がある。しかし危機時には愚か者と付き合う余裕はない。その点、客観的で合理的に物事を進めているという「物語」を構築したドイツ政府はとてもうまくやった。

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