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アートの地平から

どんな過去を残すのか=住友文彦

アーツ前橋(前橋市)では、「オンライン・ライブラリ」として作家インタビューなど、ウェブで楽しめるさまざまなコンテンツを用意している

 世の中には変わるものと変わらないものがある。市場は価値を生むために変わり続け、自然の循環的な変化はゆっくりしている。今後、美術がどう変わるのかという議論は大変興味深いが、今回の感染症をまだ正確に把握できていない現在は、変わらないことに目を向けておこうと私は考えている。

 美術館は過去を貯蔵する場所なので「変わらないもの」だ。コロナ禍においても多くは「3密」を回避できるし、美術家の活動も止まらないだろう。人々が集まる熱狂とは別種の、距離を置いた表現や鑑賞の分野だということを実感している。例えば2014年に亡くなった河原温という美術家の作品は、社会的距離をとる3カ月の間、私の想像力を静かに刺激し続けた。彼は電報やはがきによって自分が朝起きた時間や「私はまだ生きている」という文章をひたすら送り続けたからだ。このように過去が現在を照らし出し、他者の表現によって自分の感じ方を確認できるのは美術の大きな特徴である。目の前の現在が膨張し続けて自分の感…

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