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よみがえる名言名セリフ

朝比奈隆 「指揮者の仕事」

聴衆から熱狂的に支持された朝比奈隆。90歳を超えても指揮台に立ち続けた=大阪市のザ・シンフォニーホールで2001年7月7日、北村隆夫撮影

 「若い指揮者諸君は、私なんかより手を動かす技術はある。私は初めから宣言してあるんです。『おれの手なんか見ても分からないからな』って」

 (「指揮者の仕事 朝比奈隆の交響楽談」実業之日本社)

 カリスマ指揮者カルロス・クライバー(1930~2004年)のタクトさばきはどこまでも流麗、全身を使ったアクションから音楽が聞こえてくる。「聞こえるように見える」のではなく、映像ソフトを再生中にボリュームをゼロにしても、私たちの頭の中で音楽が響き続けるのだ。

 一方、朝比奈隆(1908~2001年)の神髄はそこにはない。残された映像を改めて見直すと、指揮棒を持った右手は拍を打っているが安定せず、左手が楽器に対して明確な指示を与えているようにも見えない。指揮者はステージ上で音を出さない。評価されるべきは技術の巧拙ではなく、鳴り響く音楽の質なのだというプライドが、「おれの手なんか見ても分からない」という言葉の背後にあるのだろう。

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