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東京五輪・パラリンピックは来夏の開幕に向け、再びカウントダウンが始まっています。しかし、新型コロナウイルスの影響で、選手たちは奪われた「日常」を取り戻すのに手探りの状態。この苦難をどう乗り越えてゆくのか、現場に迫りました。
水中でストロークが「空回り」 1カ月プールを離れ違和感 競泳・鈴木聡美
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甲府市の山梨学院大の屋内プール。5月19日、母校の水泳部を活動拠点とする競泳女子の五輪メダリスト、鈴木聡美(29)=ミキハウス=は来夏に延期された東京オリンピックに向けて約1カ月ぶりに水中練習を再開した。だが胸に広がったのは、水に戻れた喜びではなく不安だった。「常に空回りしている感じ」。新型コロナウイルスの影響に伴う「空白」が泳ぎの感覚を鈍らせていた。
福岡県遠賀(おんが)町に生まれ、4歳になる頃、競泳を始めた。高校時代は無名だったが山梨学院大での猛練習で才能が開花。大学4年の21歳で初出場した2012年ロンドン五輪で200メートル平泳ぎで銀、100メートル平泳ぎと400メートルメドレーリレーで銅メダルをつかんだ。競泳日本女子で初めて同一五輪の個人種目で複数メダルを獲得し、一躍「時の人」となった。
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