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今週の筆者は文化人類学者・上田紀行さん 気ままな孔子 コロナ疲れに

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=東京都目黒区で、北山夏帆撮影
=東京都目黒区で、北山夏帆撮影

 *5月19日~6月15日

 ■一億三千万人のための『論語』教室(高橋源一郎著・2019年)河出新書・1320円

 ある編集部から翻訳を持ちかけられ、著者は「論語」に向き合うことに。本書を「孔子先生の教室に二十年通っている間に、ぼくがとったノート」と言う。

 世の中「緩和」の流れとなり、大学の遠隔講義も予想以上に順調に進んでホッとしつつ、しかしドッと疲れている自分に気づく。3月以来毎日新型コロナ報道を見ざるを得ず、今日は感染者何人、緊急事態宣言下での行動規制のレベルは……と、日々変動する状況に神経が常に苛立(いらだ)っている。日本精神衛生学会のメッセージに「最新の情報を確かめたいのは当然ですが、感染者数などの情報に繰り返しさらされると、心が少しずつ傷んできて、イライラや不安が生じてきます」とあるが、まさにそれだ。

 そんなときには何か「ずっと変わらぬもの」を読みたくなる。となれば古典だ。とはいえ気むずかしい言葉は滅入(めい)ってしまいそうで無理だ。と、手に取ったのが「一億三千万人のための『論語』教室」。高橋源一郎さん訳の「論語」だ。

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