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あした元気になあれ

小国綾子記者の「元気」を追いかけるコラム。

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美しい人と人との力を=小国綾子

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あじさいの季節。茨木のり子さんの詩「六月」を読み返す=小国綾子撮影
あじさいの季節。茨木のり子さんの詩「六月」を読み返す=小国綾子撮影

 緊急事態宣言が解除され、「日常」を取り戻しつつある今だから、胸に刻みたい一編の詩がある。茨木のり子さんの「六月」だ。

 <どこかに美しい村はないか>で始まる詩。国語の教科書にもよく掲載されているから、ご存じの方も多いだろう。茨木さんは30歳の誕生日を迎えた1956年6月、この詩を発表した。学徒動員先で19歳の時に敗戦を迎えてから、約10年後の作品だ。

 第1連、第2連で「どこかに美しい……はないか」と繰り返し探し求めたのは、男も女も平等に向き合い、ともに働き、誰も飢えることのない理想郷だ。「美しい」という形容詞をまっすぐに使った彼女は、最後の第3連でこう書いた。<どこかに美しい人と人との力はないか 同じ時代をともに生きる したしさとおかしさとそうして怒りが 鋭い力となって たちあらわれる>

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