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与党の国会閉会方針 「言論の府」否定に等しい

 通常国会はきょう、会期末を迎える。

 国民の命と生活、そして経済活動を脅かしている新型コロナウイルスの感染拡大はなお収まっていない。従来以上に国会の議論が重要な時だ。にもかかわらず与党は会期を延長せず閉会する方針だ。

 連動するように、先に成立した第2次補正予算には10兆円に上る巨額予備費が計上された。その具体的な使途は政府に委ねられる。これでは、あとは政府に白紙委任するから国会質疑など不要だと言っているようなものだ。

 延長を拒む理由は明らかだ。

 後手に回るコロナ対策への不満や検察人事問題などから安倍晋三内閣の支持率は急落している。

 最近では持続化給付金の不明朗な民間委託問題も発覚した。今後は自民党の河井案里参院議員と夫の克行前法相の公職選挙法違反疑惑の捜査が進む可能性もある。

 通常国会開会直後の大きな焦点だった「桜を見る会」をめぐる疑惑も何ら決着していない。首相や与党はこれ以上、国会で追及が続くのを恐れているのだろう。

 国会が終わり、しばらくすれば国民は忘れるだろうと考えているのかもしれない。しかし、それはあまりにも国民を軽んじている。

 2011年の東日本大震災の際、当時の民主党政権は通常国会を8月末まで70日間延長し、直後の9月には臨時国会を開いた。これが危機対応時の常識だ。ところが今の与党内には予備費があるから秋の臨時国会を召集しなくても構わないという意見さえある。

 安倍首相は以前から国会を軽視し、答弁は論点のすり替えやごまかしが続いてきた。今国会で目立つのは答えに窮すると「事前の質問通告がない」とかわす場面だ。

 官僚が用意したペーパーを読み上げるだけなら質疑は成り立たない。ここにも「言論の府」の否定につながる姿勢が表れている。

 野党はコロナ対策では協力する姿勢を示している。例えば国民1人10万円の特別定額給付金は野党がいち早く提案し、公明党も強く求めたことで政府の方針が転換した。本来、これが国会の役割だ。

 言論封じは国会の自殺行為だ。公明党を含め与党で疑問の声が起きないのは全く理解できない。審議を止めてはならない。

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