「SNSやるな」は暴論 “炎上”への対処法 実名制や罰則よりも必要なこと
- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

会員制交流サイト(SNS)で、暴言や誹謗(ひぼう)中傷が集中する「炎上」への対処法が課題になっている。「発信内容を制限すればいい」「気にしなければいい」「SNSをそもそもやらなければいい」などの意見も一部であるが、国際大グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一准教授(ネットメディア論)は「今日のSNSが浸透した情報社会にそぐわない対処法だ」と指摘する。表現の自由を守りながら、私たちは「炎上」にどう対応していくべきなのか聞いた。【野口麗子/大阪地方部】
ネットの特徴そのものが引き起こした
――人気番組に出演したプロレス選手の女性が急死。SNSで誹謗中傷を受けていたことをどう受け止めていますか。
◆インターネットは、誰もが自由に発信できる空間です。リアルでは、会話の中で質問されたから答えるとか、言いたいことをずっと言っている人がいたら誰かは止めに入ったり、司会がコントロールしたりします。しかし、ネットではそうしたことは起きにくく能動的な発信だけでも世界が成り立ってしまう。
――ネットは匿名であるゆえ攻撃性が強くなるとも言われます。
◆非対面コミュニケーションでは攻撃的になりやすいという社会心理学の研究があります。相手が人間であるという意識が薄れるからです。対面であれば、誹謗中傷すれば相手が悲しい顔をするなど、若干鈍感な人でも察することができると思います。でも、ネットだとそこに想像が至らなくなってしまいます。もちろん配慮できる人もいますが、攻撃的になる人も出てきてしまいます。
元々、極端な意見…
この記事は有料記事です。
残り3893文字(全文4552文字)
時系列で見る
-
「許容限度超えている」職場ヘイト賠償命令 進まぬレイシャルハラスメント対策
1183日前 -
職場で「ヘイト文書」配布 「フジ住宅」に110万円支払い命令 地裁堺支部
1184日前 -
川崎ヘイト条例全面施行 在日コリアンの思い/上 子ども、安心できる街に /神奈川
1184日前 -
川崎市ヘイト禁止条例が全面施行 公共の場のルール、どう変わる?
1184日前動画あり -
ダンプ松本さん「気にすんな」木村花さんに言ってあげたかったな
1185日前 -
「差別のない街の見本に」川崎ヘイト禁止条例 7月1日全面施行 在日コリアンの思い
1185日前 -
せやろがいおじさんが、ネットの伊藤詩織さん中傷について語りたかったこと
1189日前 -
フェイスブック、暴力あおる政治家の投稿を削除へ トランプ氏の投稿「容認」で批判受け
1189日前 -
「日本も人種差別に向き合うべきです」 ルース・ベネディクト「レイシズム」訳者の思い
1198日前 -
「SNSやるな」は暴論 “炎上”への対処法 実名制や罰則よりも必要なこと
1198日前 -
SNS中傷規制「政治に批判的な言論、封じる懸念」 憲法学・志田陽子教授
1205日前 -
「ネット上の中傷に対する法整備を」 弁護士や研究者らがオンライン集会
1206日前 -
「性暴力被害者への中傷を終わらせる」 伊藤詩織さんを提訴に動かした強いられた沈黙
1207日前 -
SNS規制にひそむ権力者の思惑 世界の動きと日本に必要なこと 政治学者に聞く
1207日前 -
ブス、ばか…はるかぜちゃんが受け続けてきた悪意 選んだのは「訴訟」
1209日前 -
「共謀しない集団」から誹謗中傷の被害者を守るには…弁護士が語る対処法と課題
1210日前 -
感情を「商品」にする危うさ 元制作者、津田環さんが語るリアリティー番組の怖さ
1211日前 -
「リアリティーショーはリアルではない」 過去に出演のプロレスラー・崔領二さん
1212日前 -
「車の運転身に付け交通ルール学ばない」SNSの中傷 解決導く気長な教育とは
1213日前