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主人が退職後に始めた野菜作り。家の空地に土を盛った猫の額ほどの広さの畑を、年中休ませることなくフル活用している。昨年、畑の隅に植えたエンドウ豆が、今年は所狭しと枝を広げ、たくさんの実を付けた。
目をこらして、さやが白みを帯びたのや、ふっくらしたのを見つけて採っていく。収穫の喜びだけは人一倍味わっている。さやから豆を取り出すと、大きい丸い実が六つ七つと行儀良く並び、我先にと飛び出してくる。みるみるボウルにいっぱいになる。
この季節になると4年前に92歳で亡くなった母を思い出す。食べ物の好き嫌いが多く、肉、ハム類のほか、野菜もトマト、ピーマンなどは全く食べられない。けれどナスやカボチャ、ことにエンドウ豆は大好物であった。70代半ばまでは田畑に出て、田植えにきてくれた人にエンドウ豆を使った料理を振る舞っていた。
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