連載

つむぐ平和

広島で平和を願う人たちの思いを伝えます。

連載一覧

つむぐ平和

広島二〇二〇/15 夏が近づくたび後悔 空民子さん(78)=中区 /広島

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
折り鶴に糸を通す空民子さん。ピンクのスカートはお気に入りの1着だ=広島市中区江波南2で、小山美砂撮影
折り鶴に糸を通す空民子さん。ピンクのスカートはお気に入りの1着だ=広島市中区江波南2で、小山美砂撮影

空民子(そら・たみこ)さん

 色鮮やかな折り鶴に目を落とし、ほほえんだ。「きれいじゃろ? 友達にも頼んで、折ってもらった」。原爆の日に供えようと、千羽を糸でつないでいる。3歳で被爆した。「あの日」以後の後悔が、平和運動に駆り立てている。

 1945年8月6日朝、爆心地から1・4キロの稲荷町(現南区)の自宅にいた。2階にいた父は吹き飛ばされ、自分は唇にやけどを負った。向かいの美容室から青白い炎が上がり、「早く逃げんと焼け死ぬ」とおののいた。

 両親と姉、妹の5人で北東の尾長山(東区)に避難した。道中、1人でたたずんでいた「ひろ子ちゃん」と名乗る少女を両親は連れて逃げた。母は、破裂した配水管から噴き出した水を手にためて飲ませてくれた。喉が渇き、手のひらにまで吸い付いて飲んだ。ひろ子ちゃんは「最後でいい」と言って遠慮する優しい子だった。

この記事は有料記事です。

残り449文字(全文816文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集