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社説

河井夫妻の逮捕 首相と党の責任も重大だ

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 前法相の河井克行衆院議員と、妻の案里参院議員が、公職選挙法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕された。

 選挙違反事件で現職の国会議員が逮捕されるのは17年ぶりだ。法秩序を守る法務省のトップ経験者の逮捕は異例である。

 案里容疑者が初当選した昨夏の参院選での買収容疑だ。地方議員や首長、後援会関係者ら94人に計約2570万円を渡し、票の取りまとめを依頼した疑いがある。

 事実ならば、まれに見る大規模な買収事件である。買収は票をカネで買う行為であり、民主主義の根幹を揺るがす。地元政界を巻き込んだ「金権選挙」に驚きを禁じ得ない。検察には、徹底的な真相の解明が求められる。

 夫妻は逮捕前に自民党を離党したものの、議員の座にとどまっている。事態の深刻さを考えれば、直ちに辞職すべきである。

 参院選で改選数2の広島選挙区には、自民党から案里容疑者と現職の溝手顕正氏が立候補した。案里容疑者の陣営には党本部から、溝手氏の10倍に上る1億5000万円の選挙資金が振り込まれた。

 河井夫妻が現金を配ったとされる時期は、選挙資金が振り込まれた時期と重なる。この資金が政党交付金から支出されていれば、国民の税金が買収の原資になった可能性がある。

 自民党の二階俊博幹事長は「党内の基準に従って、手続きを踏んで支給した」と述べた。党の対応に問題はないとの姿勢だが、それでは済まされない。

 克行容疑者は安倍晋三首相の補佐官を務めたことがあり、菅義偉官房長官とも近い。案里容疑者の擁立は地元の頭越しに決まり、首相の秘書が応援に入った。結果として、首相を批判した過去がある溝手氏が落選した。

 しかし、首相は夫妻の疑惑発覚後、「政治家は自ら説明する責任がある」と言うばかりで、具体的な行動は取らなかった。逮捕後の記者会見でも、克行容疑者を法相に任命した責任について「痛感している」と述べただけだ。

 長期政権が続く中で、「政治とカネ」に対する認識がまひしているのではないか。捜査とは別に、首相や党は積極的に資金の流れを明らかにすべきだ。

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