「競技が全てでない」 非日常に生まれた絆と学び 最大の目標へ刺激
- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

1日夜、競技の枠を超えてアスリートたちがオンラインで一緒にヨガやトレーニングに汗を流したり、和やかに語り合ったりする姿があった。「97会」と称する1997年度生まれのトップ選手ら有志の集まりで、輪の中心にいたのが、フェンシング男子フルーレで東京オリンピック出場を目指す西藤(さいとう)俊哉(23)=長野クラブ=だ。新型コロナウイルスの感染拡大で、五輪は来夏に延期されたが、「自粛期間中に新しい仲間と知り合えたのは大きな財産」と言い切る。
フェンシング西藤「金メダルが全てでない」
長野県出身。有望選手を集めて強化する日本オリンピック委員会のエリートアカデミーに中学2年で入校し、20歳で世界選手権の銀メダルを獲得した。2008年北京五輪で、この競技日本初のメダルを獲得した太田雄貴・現日本フェンシング協会会長(34)の後継者として期待され、昨春には法政大を休学して五輪に照準を合わせていた。しかし、3月に米国で予定されていた最後の五輪代表選考大会が直前になって中止され、帰国後、2週間の自宅待機中に五輪延期も決まった。
練習も当たり前の生活もできない中、何をすべきかと自問した。「今のうちに学業に専念すればいい」と復学した一方、力を入れたのが97会の活動だった。会は昨年、新体操の16年リオデジャネイロ五輪代表の熨斗谷(のしたに)さくら(22)=コナミスポーツ本店=ら一部選手らで発足。自身も加わり、広く参加を呼びかけて現在は約20競技の約40人にまで輪が広がった。
トップ選手にとどまらず、カレー店経営を目指す元レスリング選手や地道に選手を支えるアナリストも名を連ねる。社会との接点を探り、5月中旬、仲間と共に97会の公式ツイッター(https://twitter.com/97athlete)を開設。トレーニング風景も、一般視聴者に参考にしてもらおうと今月1日にオンラインでライブ配信した。
西藤は「フェンシング界の外に目を向けると、違う景色が広がっていた。競技生活だけが人生ではないし、五輪を目指すことが偉いわけでもない。さまざまな価値観に触れ、夢や目標を語り合えた」と刺激を口にする。金メダルが最大の目標であることに変わりはないが、今はそれが全てではないことも知っている。
空手の清水は書道から緩急会得
交流の中に光を求めた選手がいる一方、自粛期間…
この記事は有料記事です。
残り1160文字(全文2137文字)
時系列で見る
-
東京オリンピック「選手村マンション」入居も延期 23年春から1年遅れか
783日前 -
聖火リレー、練習続ける 東日本大震災で犠牲、家族への思い胸に きょう走行予定だった竹沢さん /宮城
784日前 -
五輪ホストタウンプログラムを推進 八代市とコカ社が協定 /熊本
784日前 -
五輪延期、パリでは「競技除外」? 重量挙げ女子・安藤美希子 葛藤しながら来夏を目指す
785日前 -
東京オリンピック延期で引退「悔いはない」 バスケ女子・伊集南が選ぶ第二の人生
786日前 -
コロナを越えて/5止 競技の枠超え自分磨き 仲間や趣味、新たな発見
786日前 -
コロナを越えて 競技の枠超え自分磨き 仲間や趣味、新たな発見 五勝出拳一さんの話
786日前 -
BMX東京五輪代表・長迫選手、笠岡市長表敬 「1年間頑張る」 /岡山
787日前 -
バドミントン 活動再開へスマッシュ ナガマツペア、練習公開 秋田 /秋田
787日前 -
「競技が全てでない」 非日常に生まれた絆と学び 最大の目標へ刺激
787日前 -
コロナを越えて 活動費、自己負担重く 競技と仕事、両立必要 友添秀則・早稲田大教授(スポーツ倫理学)の話
787日前 -
「前を向き演技磨く」 体操五輪代表候補・南選手が練習再開 /宮城
788日前 -
銀メダリストが宅配アルバイト 活動費工面、自己負担で競技継続を模索
788日前 -
体操オリンピック代表候補・南一輝選手が練習再開 「戻って来られて良かった」
788日前動画あり -
コロナを越えて/2 自粛警察、選手も矛先
789日前 -
コロナを越えて 自粛警察 漠然とした不安、背景 碓井真史・新潟青陵大大学院教授(社会心理学)の話
789日前 -
コロナを越えて/1(その2止) 水の感覚、取り戻す 競泳・鈴木聡美
789日前 -
コロナを越えて/1(その1) 延期、次の一歩戸惑い
789日前 -
来夏カレンダー、祝日要注意 五輪簡素化「移動不要」論も
790日前