メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

災害対策改善を提言 丸森町、台風19号で検証委 /宮城

保科郷雄町長(右)に台風19号の災害検証をまとめた提言書を手渡した柴山明寛委員長=宮城県丸森町役場で

[PR]

 昨年10月の台風19号の豪雨で大きな被害を受けた丸森町の災害対応を巡り、防災対策の改善を検討する検証委員会(委員長、柴山明寛・東北大災害科学国際研究所准教授)は19日、想定浸水区域に開設した避難所の設置場所の見直しなどを求める提言書を町に提出した。保科郷雄町長は「提言をしっかり受け止め、地域防災計画に反映したい」と述べた。【神内亜実】

 提言書はソフト面を中心に16項目の提言からなり、町が策定したハザードマップで浸水被害が想定される区域に避難所を3カ所開設したことや、高齢者・障害者向けの福祉避難所が不足したことを問題点として挙げた。

 台風19号で町が開設した避難所のうち、金山地区は1階部分が浸水し、丸森地区では天井から雨漏りした。ほかにも土砂災害の危険区域にある避難所も数カ所あり、設置場所の見直しを求めた。

 提言書は、災害対策本部となる役場庁舎周辺が冠水して被害情報の収集が遅れたことや、豪雨時に町内で電話が不通になったことにも言及。冠水時の代替施設として3カ所の候補地を挙げた一方、阿武隈川が氾濫した場合はいずれも浸水する可能性が高く、さらなる検討が必要とした。

 氾濫した河川の監視体制の強化も盛り込んだ。台風19号では、阿武隈川の支流に設置された水位計や監視カメラが不足し、詳しい状況が確認できなかったことから、夜間でも鮮明な画像が見られる監視カメラの台数を増やすよう提言。土砂災害の危険がある場所では、ドローンの活用を検討するよう求めた。

 従来のような町内一斉の警戒レベル発令を見直し、地形や災害リスクが異なる8地区ごとに新たな発令基準を設けるように提言。新型コロナウイルス感染防止のため、車内に一時避難してもらうことや町外避難も考慮する必要があるとした。

 検証委は河川の専門家や消防団長など12人で構成。提言書を取りまとめた柴山委員長は「地域防災計画は最低でも5年、ハード面が変わる中で逐次見直していく必要がある。二度と同じような被害が出ないように活用してもらいたい」と述べた。


提言書の主な内容

(1)地域の特性を踏まえた防災教育

・大規模水害を想定した防災訓練や防災教育

・避難所を運営する自主防災組織の育成

(2)災害対策本部と支部の運営

・情報収集や消防との連絡調整を行う支部の役割を強化

(3)被害と災害対応の情報収集・共有

・河川を監視するカメラの設置数を増やし、ドローンの導入を検討

(4)警戒レベル発令の基準

・早期の避難を呼びかけるために町の基準を見直し、地区ごとの発令基準を設ける

(5)避難情報の伝達

・台風19号で水没した通信設備の強化

(6)避難誘導

・防災無線だけではなく、広報車や消防団の車で避難を呼びかける

・災害時でも安全に避難できる避難用道路や歩道の整備

(7)避難所の開設と運営

・想定浸水区域や土砂災害危険区域に該当する避難所の見直し

・高齢者と障害者向けの福祉避難所、自主避難所の設置

(8)冠水などによる役場の代替機能

・災害対策本部(役場庁舎)が冠水した場合に備え、代替施設や後方支援の拠点を検討

(9)ライフライン(電気、水道など)

・道路の緊急点検と早期の情報提供

・孤立地域を想定した備蓄の拡充

・道路冠水の危険性を示す立て看板(浸水深ライン)を設置し、平時から危険を周知

(10)災害廃棄物の処理

・災害廃棄物の仮置き場や処理方法などの計画策定

(11)災害物資の受給と分配

・救援物資と配給のマニュアルを策定

(12)応援職員の受け入れ体制

・町職員の交代人員の配置計画やメンタルケアなどの体制を整備

(13)ボランティアの受け入れ体制

・社会福祉協議会と共同し、災害ボランティアに関するマニュアルと冊子の作成

(14)住民への情報発信やマスコミ対応

・役場に町民相談総合窓口を設置

・情報発信のマニュアル作成、マスコミ対応窓口の一元化

(15)ハード面での対処

・土のう、ボートなどの防災資機材の準備

(16)その他

・地域防災計画の見直し

・新型コロナ感染防止のための避難所運営

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 東名あおり運転デマ投稿、強制起訴の被告が死亡

  2. 落語家の桂文枝さん 67歳妻と99歳母が死去 今月下旬に相次ぎ

  3. 皇族に人権はない? 「眞子さまと小室さん」ご婚約から見えてきたこととは

  4. 再びの緊急事態宣言 「春までもつか…」客数9割減、膨らむ借金 苦境の居酒屋

  5. 学生街の喫茶店、コロナでピンチ 早大生有志がクラウドファンディングで応援

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです