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川本三郎・評 『家族じまい』=桜木紫乃・著

『家族じまい』

 (集英社・1760円)

 桜木紫乃ほど地方在住者の地味な暮しを適確に描き続けている作家はいない。とりわけ故郷、北海道に生きる市井の人々を見定めているのは素晴しい。

 華やかな恋愛とも、大きな犯罪とも無縁。すがれてゆく町に住む人々の普通の日常のなかに嘆きや悲しみ、そして愛(いと)しさを見てゆく。

 短篇連作による、ある家族の人間模様。子育ての終った夫婦、老いた親、父親ほどの年齢の男と結婚した娘、老い果ててゆく老姉妹、一人暮しで老いを迎える老人。さまざまな家族の問題が描かれるが、桜木紫乃は、それを「問題」としてとらえ、「解決」をしようとしているわけではない。

 そういうことは社会問題の研究家にまかせればいい。作家は、ただ普通の人々の悩み、しがらみを見つめるだけだ。

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