新型出生前診断、学会が拡大指針に合意

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新型出生前診断(NIPT)の検査キット=東京都内で2018年12月15日午後1時53分、千葉紀和撮影
新型出生前診断(NIPT)の検査キット=東京都内で2018年12月15日午後1時53分、千葉紀和撮影

 妊婦の血液から胎児の染色体異常を推定する新型出生前診断(NIPT)を巡り、日本産科婦人科学会(日産婦)は20日、実施施設を小規模な診療所にも広げることで日本小児科学会や日本人類遺伝学会と合意したと発表した。これまでの指針を一部改定し、日本小児科学会が認定した小児科医との連携などを新たな実施施設の条件とする。日産婦は今後、厚生労働省に報告し、運用するかどうかは判断を待つ方針。

なぜ容認に転じたのか 水面下の動きとは

 日産婦によると新たな指針では小児科医不在の施設の場合、胎児の病気などについて相談できるよう日本小児科学会が新たに認定した小児科医と連携。検査の前後で、自由に小児科医に相談できる窓口を設ける。

 また関連学会が作成した説明文書を妊婦に配布し、陽性の場合にカウンセリングする仕組みを整える。日産婦の三上幹男・倫理委員会委員長は20日の記者会見で「適切な体制の下で進めていきたい」と述べた。NIPT実施の認定施設は現在の109カ所から70カ所ほど増える可能性がある。

 NIPTについて日産婦は2013年、実施施設を限定して導入。専門家が妊婦にカウンセリングするなど指針で厳しい条件を付けたが、守らずに営利目的で検査する認定外の民間施設が急増した。対象疾患以外の検査や、専門家のカウンセリングを省くトラブルなどが確認されていた。

 日産婦は認定外施設を減らすため、小規模な医療機関も認定を受けられる新たな指針案を19年3月に公表。カウンセリングを産婦人科医だけでできる簡略化など…

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