連載

クローズアップ

ニュースの背景を解説、検証、深掘りリポート。

連載一覧

クローズアップ

ワクチン主導権、綱引き 特許権プール活用、工夫を 加藤暁子・日本大准教授(知的財産法)

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷

 ワクチンを含む医薬品の開発は、巨費を投じても成功率が限られる。製薬会社にとって特許権は開発への動機付けになると同時に、保護が崩れれば投資を回収できなくなるため譲りがたい。一方、特許権は独占的かつ排他的で、ライセンス(許諾)が得られなければ、他の企業は特許発明を用いた製品の製造や輸出入ができない。手ごろな医薬品が行き渡らない「医薬品アクセス」の問題が生じる。

 世界貿易機関(WTO)の下で1995年に発効し知的財産保護の国際標準となっている「TRIPS協定」では、米国などの主張を反映して特許権の保護に重きが置かれた。その後、新興国でのエイズの感染拡大などで医薬品アクセスの改善を求める声が強まり、2001年のWTO閣僚会合で採択された「ドーハ宣言」で、各国が公衆衛生上必要な措置を取ることを妨げないことを明確にした。特許権者の許諾なしに政府を含め第三者が医…

この記事は有料記事です。

残り441文字(全文821文字)

ご登録から1カ月間は100円

※料金は税別です

あわせて読みたい

注目の特集