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男の気持ち

父のマスク 鹿児島県出水市・谷口歩(団体職員・49歳)

 病院の売店に連れて行くと父は喜んでいた。香辛料の利いたカップラーメンと甘味と週刊誌3冊を購入してホクホク顔の父と一緒に病棟に戻ると、受け持ち看護師が済まなそうな顔をして声を掛けてきた。我々を見掛けた放射線科の担当医から電話があったようだ。「売店に行くのはまだ控えた方がいい」と。

 父はブスッとしていたが、私は厳しい顔をしてうなずいた。父の免疫力ではまだ用心しなければならないとの現実を突き付けられたからだ。

 ふた月後に退院したが、父はマスクを着け続けた。ゴムひもがあたる耳の裏側が痛いと言い始めたときにはもう、赤くなってただれていた。炎症を抑える軟こうを塗り、脱脂綿をはさみ込んだ。

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