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アートの扉

神田日勝 馬(絶筆・未完) 尊厳に満ちた半身

1970年 神田日勝記念美術館蔵

 神田日勝は、北海道で開拓農業に従事しながら、独学で絵を学んだ「農民画家」といわれる。NHK連続テレビ小説「なつぞら」の登場人物「山田天陽」のモデルになったと言われれば、イメージが広がるだろうか。

 本作は、絶筆として伝わる。つややかに軽くカールした毛並みは、ペインティングナイフを用いて克明に刻んだ。瞳は赤い光を放ち、生命の尊厳さえ感じさせる。何よりも、半身であることが強烈な印象を残す。兄の画家、一明さんによると、実際は行き詰まって途中で制作をやめた作品だというが、「絶筆」と語りたくなるような、しんと冷えた空気が画面に満ちている。

 特に、馬をよく描いた。死んだ愛馬、絵馬として奉納した穏やかな瞳の馬、あばら骨が浮き出た馬。日勝の馬にはにおいがある。画面に在るのは、サラブレッドでもなく、ポニーでもなく、共に汗を流す農耕馬だ。その証拠に、器具を装着したことで毛が薄れる「胴引き」痕も描かれる。

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