メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

アートの扉

神田日勝 馬(絶筆・未完) 尊厳に満ちた半身

1970年 神田日勝記念美術館蔵

 神田日勝は、北海道で開拓農業に従事しながら、独学で絵を学んだ「農民画家」といわれる。NHK連続テレビ小説「なつぞら」の登場人物「山田天陽」のモデルになったと言われれば、イメージが広がるだろうか。

 本作は、絶筆として伝わる。つややかに軽くカールした毛並みは、ペインティングナイフを用いて克明に刻んだ。瞳は赤い光を放ち、生命の尊厳さえ感じさせる。何よりも、半身であることが強烈な印象を残す。兄の画家、一明さんによると、実際は行き詰まって途中で制作をやめた作品だというが、「絶筆」と語りたくなるような、しんと冷えた空気が画面に満ちている。

 特に、馬をよく描いた。死んだ愛馬、絵馬として奉納した穏やかな瞳の馬、あばら骨が浮き出た馬。日勝の馬にはにおいがある。画面に在るのは、サラブレッドでもなく、ポニーでもなく、共に汗を流す農耕馬だ。その証拠に、器具を装着したことで毛が薄れる「胴引き」痕も描かれる。

この記事は有料記事です。

残り459文字(全文856文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 俳優・武田真治さんとモデル・静まなみさんが結婚

  2. 探して!らき☆すたマンホール 合併10年、埼玉・久喜のどこかに設置

  3. コロナ感染止まらぬ新宿・歌舞伎町 区長はすがる思いで大物ホストの携帯を鳴らした

  4. 関東・東海上空に火球 2日未明、目撃相次ぐ 「爆発音聞こえた」

  5. 失業給付の増額を 困っている人を助けるのが政治の使命

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです