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社説

外国人長期収容で提言 人権への配慮が最優先だ

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 入管施設で外国人の収容が長期化している問題で、有識者会議が提言をまとめた。

 国外退去命令に従わない人への罰則の導入や、難民認定申請を繰り返している場合への対応を検討するよう求めた。ルールの厳格化が目立つ。

 昨年末時点の収容者1054人のうち、462人は収容が6カ月以上に及ぶ。出入国在留管理庁は長期化の理由について、送還を拒否する人が多いためと説明する。

 しかし、在留資格がなく退去を命じられた人のほとんどは出国している。送還を拒むのは、帰国すると身に危険が及んだり、日本に家族がいたりするケースが多い。

 このため、罰則を設けても送還につながるかどうかは疑問だ。むしろ、帰国できない外国人に対する支援を萎縮させる懸念がある。

 難民認定申請中でも例外的に送還できるようにしてはどうかとの提言は、帰国を逃れるため申請を乱用している人が少なくないとの認識から出されたという。

 だが難民条約は、難民の可能性がある人を送還してはならないと定めている。

 そもそも日本の難民認定が、世界的に見て厳しすぎることに問題があるのではないか。昨年は1万375人が申請したが、認められたのはわずか44人だ。審査のあり方を見直すのが先決だろう。

 施設への収容は送還の準備が目的である。海外では欧州連合(EU)が収容期間を原則6カ月までとするなど期限を決めている例が多いが、日本はその定めがない。

 提言は具体的な期限には踏み込んでいない。収容が一定期間を超えた場合の妥当性を審査する仕組みは求めている。ただ、審査には入管庁や法相でなく、裁判所が当たるべきだろう。

 日本の入管制度は問題があると国連から何度も懸念を示されてきた。昨年には、3年半収容されたナイジェリア人の男性がハンガーストライキの末に餓死した。

 収容の長期化を避けるには、社会に一定期間出られる仮放免制度の柔軟な運用を検討すべきだ。日本に家族がいて生活基盤がある人には特別な配慮が必要である。

 在留管理を強化することは、外国人の人権をないがしろにする理由にはならない。

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