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「10万円」成年後見制度の被後見人に届かぬ恐れ 宮崎県弁護士会が申し入れ

宮崎県弁護士会の申し入れ書=杣谷健太撮影

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 新型コロナ問題で全国民に一律10万円が給付されるはずの特別定額給付金が、成年後見制度の被後見人など立場が弱い人に届かない恐れがある。世帯主による申請が原則のためだ。しかし、お金を使い込んだ世帯主から財産管理権を離すため、第三者が後見人となる例もある。宮崎県弁護士会は5月28日、総務省や県内自治体に対し、障害福祉サービスなどの通知書の送付先が後見人に変更されている場合、世帯主か否かを問わず、後見人に給付金の申請書を送るよう申し入れた。【杣谷健太】

 「勝手に給付金を使われかねない」。知的障害がある宮崎県の40代男性の成年後見人を約10年前から務める社会福祉士の女性(45)は表情を曇らせた。

 男性にはかつて財産相続の手続きがあり、女性が選任される前は同居する母親が後見人を務めた。しかし、年1回の家庭裁判所への報告で、母親が男性の障害年金を生活費として使い込んでいたことが発覚。家庭裁判所は後見人を女性に代えた。財産管理や障害福祉サービスの利用手続きなどを本人に代わって担っている。

 男性が適切に定額給付金を受け取れるよう、女性は6月初め、申請書を自分に送ってもらうよう自治体に依頼。しかし、「男性は世帯主でない」として断られた。女性は給付金について母親らと話し合う予定だが、家族関係の悪化を危惧する。

 総務省特別定額給付金室は「受給対象者は世帯主なので、原則にのっとり、(被後見人が)世帯員の場合は後見人に申請書を送れない」と話す。これに対し、県内の社会福祉士の男性(46)は「本人の権利を守るために後見人がいるという本旨を国や自治体は理解してほしい」と訴える。

 申し入れをした県弁護士会高齢者・障がい者権利擁護委員長の原田真一弁護士は「世帯主で判断するのは不適切。今後も新たな給付金はあり得る。現段階で準備を」と訴える。

 申し入れを受けて対応を検討した同県小林市は「趣旨は理解できるが準備期間が短く、世帯主でない被後見人を抽出する時間がなかった。もし新たな給付金があれば、後見人に申請書が届くようにしたい」としている。

ことば 成年後見制度

 認知症や知的障害などで判断能力が十分でない人が医療、福祉サービスを受けられ、悪徳商法で財産を失うことがないよう法的に支える制度。家庭裁判所が配偶者や親族、市町村長らの申し立てで財産管理や契約行為、法定手続きをする後見人を選ぶ。弁護士や親族など個人以外に法人も後見人になれる。

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