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コロナ治験、患者減で減速 第2波警戒、症例収集急ぐ

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 国内で新型コロナウイルスの感染拡大は抑えられつつあるが、治療薬の治験では課題が生じている。感染している人に実際に投与して効き目を確かめる必要があるからだ。第2波に備えて治験を加速させるため、製薬会社は参加する医療機関を増やして症例を集めるなど対応に追われている。

 日本発の治療薬候補として注目を集める新型インフルエンザ治療薬「ファビピラビル」。「アビガン」という商品名で知られ、安倍晋三首相は「5月中の承認を目指す」と明言したが、5月末までに有効性の確認には至らなかった。国の承認を目指す治験は引き続き進められているが、感染者の減少を背景にペースは鈍化している。

 開発した富士フイルム富山化学は、新型コロナ感染症への有効性などを確認するため、3月末から治験を実施。軽症や中等症の患者96人に協力してもらう計画で、当初は6月末に研究を終える予定だった。だが、流行が落ち着いてきたことから、協力を得られる患者の確保に苦慮している。治験を実施する医療機関を増やして加速を図るが、同社は「7月以降も継続することも検討している」という。

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