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コロナ時代の豪雨災害 避難の選択肢を考えたい

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 梅雨前線の活動が活発化し、大雨への警戒が必要な季節を迎えた。今年はコロナ禍の影響で、避難にも特別な注意が必要だ。

 一昨年7月の西日本豪雨、昨年10月の台風19号と、近年大きな豪雨・台風災害が相次いでいる。

 台風19号では、車で移動中に氾濫した河川の水などにのまれる「車中死」が多発した。帰宅や避難の途中での被害が目立った。

 このため、政府の中央防災会議は、国の災害対応の根幹となる防災基本計画を修正した。企業に対し、豪雨時にはテレワークなどを活用して従業員に「不要不急の外出」をさせないよう求めた。

 また、安全な場所にいる人まで逃げる必要はないことを住民に周知するよう自治体に促した。

 災害の危険度が2番目に高い「警戒レベル4」では「全員避難」を呼びかけてきたが、あくまで「危険な場所から」の避難であることを明確にした。

 これには、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ狙いもある。「全員避難」を受けて避難所に住民が殺到すると、集団感染のリスクが高まるからだ。

 避難所へ行かない場合の選択肢となるのはまず、自宅の2階以上などに移動する在宅避難だ。これには、事前に自宅が安全かどうかを確認しておくことが欠かせない。自治体のハザードマップで、自宅周辺の浸水や土砂災害のリスクを調べる必要がある。

 ライフラインが停止する中で避難生活が長引くことを想定し、水や食料などの備蓄も忘れてはならない。

 地域における共助の取り組みも欠かせない。近所の住民間で平時に打ち合わせをし、避難所は高齢者ら支援の必要な人が優先的に使用するという認識を共有しておくことが大切だ。

 地域に高層マンションがあれば、危険が高まった時に上層階を避難場所として開放してもらう相談もしておくべきだ。

 自宅周辺に安全な場所がなければ、避難所へ逃げることをためらってはならないが、親戚や知人宅への避難も検討してほしい。

 こうした対策の多くは「コロナ後」にも活用できる。自分が住む地域の事情に応じた避難の選択肢を検討しておきたい。

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