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社説

日米地位協定60年 改定の協議を始める時だ

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 現在の日米安全保障条約と、在日米軍の法的地位や基地の運用などを定めた日米地位協定の発効から60年を迎えた。

 条約に基づき、米国は日本を防衛する義務を負う。代わりに、日本は米軍に基地などの施設や区域を提供する。それが日米安保体制の中核である。

 米国は、在日米軍基地をインド太平洋地域ににらみを利かせるための戦略拠点にしてきた。一方、日本にとって、基地の存在は抑止力となってきた。

 ただ、日米地位協定は在日米軍に多くの特権を認めている。日本側の負担は重く、受け入れられないレベルに達している。

 在日米軍基地は、米国が排他的な使用権や管理権を持つ。国内法令は事実上適用されない。日本側に立ち入り調査権はない。

 住民の暮らしや権利も脅かされている。事件や事故の際は、日本側の捜査や司法手続きなどが制限される。日本の航空法が適用されず、米軍機の夜間や低空の飛行訓練は続いている。

 北大西洋条約機構(NATO)で米国と同盟を組むドイツやイタリアの協定に比べると、不平等さは際立っている。

 象徴的な例が、2004年に起きた沖縄国際大への米軍ヘリ墜落事故だ。米軍は現場を封鎖し、捜査当局を排除した。国内の民有地なのに捜査権が及ばなかった。

 沖縄県では16年、元米兵による女性殺害事件に抗議する県民大会が開かれ、地位協定の抜本改定を求める決議が採択された。改定を求める声は全国に広がっている。

 毎日新聞が全都道府県知事に聞いたところ、8割を超える39人が見直す必要があると回答した。うち25人が米軍に日本の国内法を適用してほしいと答えた。

 日米両政府はこれまで、改定要求が高まるたびに、運用の改善や補足協定の締結でかわしてきた。改定するより迅速に問題に対処できると説明してきたが、改定協議を避けてきたのが実態だろう。

 日本を取り巻く安全保障環境を考えれば、今後も日米同盟の重要性は変わらない。

 地位協定への不信感の高まりは、同盟の基盤である信頼関係を損ないかねない。政府は協定の改定を米国と協議すべきだ。

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