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いきものと生きる

農薬で失われる多様性=五箇公一

農薬を使っていない実験水田。水が濁っている=五箇さん提供

 この季節は、水を張った水田が広がる風景が美しい。筆者の故郷である富山県も大規模な稲作地帯で、子供の頃は田んぼが生き物の観察の場でもあった。

 畔(あぜ)にしゃがみ込み、透明なプリンカップで田んぼの水を掬(すく)って、学研の雑誌の付録についてきた簡易顕微鏡でのぞけば、そこはもう、まるで「風の谷のナウシカ」に出てくる腐海の森の世界。有象無象の微小な昆虫やプランクトンたちがうごめき、その多様さに幼い好奇心は大いに揺さぶられた。

 水田は古くより、稲作の場としてのみならず、人為的に造成された湿地として、多くの生き物の生息場所としての機能も果たし、地域の生物多様性を支えてきたとされる。この水田から始まる生物多様性の豊かさこそが、限られた国土に住む日本人にとってかけがえのない資源となり、そこから生み出される自然の恵みを糧に我々日本人は、長い歴史を生きてきた。そんな水田の生物多様性も今ではすっかり状況が変わってしまった。最近はあ…

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