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沖縄戦75年/上 姉奪った集団自決 日本軍「米兵の恐怖」植え付け

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沖縄戦で亡くなった姉の生前の写真を見つめ、悔いを口にする中村武次郎さん=沖縄県座間味村の慶留間島で11日、遠藤孝康撮影
沖縄戦で亡くなった姉の生前の写真を見つめ、悔いを口にする中村武次郎さん=沖縄県座間味村の慶留間島で11日、遠藤孝康撮影

 <戦場(いくさば)の住民たち>

 「母さん、早く。私から早く絞めて」。沖縄本島の西約40キロに浮かぶ慶留間(げるま)島。中村武次郎さん(90)の脳裏から、75年前のあの日の姉の声が消えることはない。

 1945年3月26日、島に米軍が上陸した。母ウタさんと姉清子(きよこ)さんと共に山中を逃げ回った末、段々畑に掘った小さな壕(ごう)の中で1本の縄を互いの首に巻き付けた。「引っ張り合ったのか、それは分からん」。母と中村さんの間にいた姉だけが息絶えた。

 慶留間島を含む慶良間(けらま)諸島に戦争の足音が聞こえ始めたのは44年秋。日本軍の秘密部隊が配備された。1人乗りのベニヤ板製のボートに水中で爆発する爆雷(ばくらい)を装着し、敵の船に体当たり攻撃をする海の特攻隊。舟は隠語で連絡艇を意味する「〓=マルレ」と呼ばれ、沖縄本島に向かう米軍の船団を背後から奇襲する計画だった。

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