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#セカンドキャリア

2度の戦力外通告からパティシエに 元広島投手がたどり着いたチーズケーキ

店自慢のチーズケーキを準備する小林敦司さん=東京都渋谷区で2020年6月1日、宮本明登撮影

 おしゃれな雑貨店や洋服店が並ぶ東京・代官山。路地の一角に、パティシエの小林敦司さん(47)が自慢のチーズケーキを振る舞うカフェはある。元プロ野球投手で、広島カープと千葉ロッテでプレーした。2度の戦力外通告、アルバイトでこみ上げた涙、店名に秘めた思い……。第二の人生でつかんだものとは。【藤井朋子】

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が、東京でも解除された5月下旬。茶色で統一されたカウンターとテーブル合わせて15席ほどの小さなカフェは、がらんとしていた。ショーケースに張られたポスターに「世界一のチーズケーキ」の文字が躍る。緊急事態宣言が発令された翌日の4月8日から5月23日まで休業。カフェは再開したばかりだ。

 「周りの店が全部閉まり、出歩く人は少なかったですね。うちは社員もいないし、店を開けた時に出る光熱費や材料費を考えると思い切って閉めました。こんなに休んだのは人生で初めて。自宅でテレビを見たりして過ごしていました」

 2011年4月、カフェをオープンさせた。店の名前は「2―3Cafe Dining」。野球のフルカウントを連想させる店名に、第一線で戦った証しがうかがえる。

 「お客さんからは『追い込まれてますね』とよく言われますよ。でも、投手から見たら追い込んでいる。打者も三振したくないから、少しストライクゾーンを広げて、多少ボールでも振ってくれる。そう考えると幅が広がるというか、前向きでしょ。でも現役の頃は、『四球を出したくない』『打たれたくない』と思っていましたね。今のような考えだったら、もう少し長く続けられたかな」

 人生で2度の戦力外通告を受けた。所属球団から来季の契約を結ばないと言い渡されると、引退か現役続行を模索するか迫られる。どのようにして乗り越えてきたのか。

 「何かが足りないから、カープを首になり、何かが必要だったからロッテに入団で…

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藤井朋子

毎日新聞東京本社運動部。1990年、兵庫県生まれ。2015年入社。盛岡支局では東日本大震災や重要文化財の無断切り取り問題などを取材し、20年から現職。小学生の頃はソフトボールで4番を務めたことも。三振ばかりだったが、いつでもフルスイングがモットー。5人の甥やめいの成長が楽しみで、キャッチボールができる日を夢見ている。

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